城主のおもてなし [歴史雑話]

犬山市の犬山城白帝文庫で「城主のおもてなし」を開催していました。

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犬山城主成瀬家は尾張藩の付家老として江戸時代を通じて藩政を担いました。
尾張藩主の多くは藩主在任中に付家老に対する配慮や領内視察の一環から犬山を訪れ、犬山城や入鹿池などを巡見し、犬山城の御殿では饗応の宴が催されました。

延享4年(1747)9月に徳川宗勝が犬山城でもてなされた饗応料理復元模型や歴代の資料から当時の御成の様子を紹介しています。

実際におもてなしに使った料理を再現しています。

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手前から
ご飯
御汁 色紙はんぺん、皮付ごぼう、葉付大根
御香の物 葦瓜、浅瓜、葦茄子、山椒
御煮物 焼ききす、いんげん、川のり、角麩、芋
御膾 赤貝、鯖、栗千切り、きんかん、ぼうふう

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手前から
石かれい、茄子、岩茸、敷味噌
御汁 すずしろ(大根葉)
猪口 梅枝
御煮物 ふき、くしこ(干しなまこ)
御刺身 熊笹、花れんこん、子付、細作り
鯉、平作り

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手前から
御焼物 あいなめ付焼き
御吸物 かれい、芽うど
御河魚 うなぎ


なんという豪華な食事でしょう。
和食は現在とそれほど大きな差はないようです。

食材も早々たるものですが、器も立派です。
配列も美しい。

映画でも現在上映中の『武士の献立』(主演 上戸彩・高良健吾)みたいな世界だったのでしょうね。


 

松本城外堀復元事業が本格化へ [お城復元]

松本城外堀復元事業が動き始めました。

読売新聞の12月19日付けの記事によると、

松本市の市議会が18日、用地取得予算案などを可決。
市は「復元にとって大きな一歩。
今後も住民の理解を得ながら計画を進めていきたい」(城下町整備本部)としている。

 復元されるのは、松本城公園に接する「南・西外堀」で総面積は0・92ヘクタール。
大正時代から昭和初期にかけて埋め立てられ、今は住宅や店舗約80戸が立つ。
市は総事業費44億円をかけて2020年頃をめどに江戸時代の姿を再現する計画だ。

 0・72ヘクタール分については今年3月、国史跡の指定を受けており、工事については国の補助も受けられることになった。
今回は、このうちの0・11ヘクタール分が用地取得の対象となっている。

江戸時代以前の天守閣が現存する全国12の城の中で唯一平地に築かれた松本城は、松本駅から徒歩15分。
「気軽に歩いて行ける城」として人気があり、昨年度は70万人以上が訪れた。

 市松本城管理事務所の土屋彰司所長(59)は「城の構造や歴史を知る上で重要な場所。
幕末期の様子を復元できれば、さらに魅力が増し、観光客も増える」と事業に期待を寄せている。


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こちらが完成後の予想図です。

予算が可決したということは、0.11ヘクタール分は既に用地買収の目処が立っているということでしょうね。

西・南外堀が復元されると随分と城としての景観が変わるでしょう。
堀の復元は、大坂城、中津城、松代城などでも行なわれていますが、
現在人が住んでいる家を移転してまでの堀の復元事業は例がないので、かなり大変でしょうが、成果に期待したいものです。
100年後にはやって良かったと思える事業であってほしいですね。

ところで、松本城は二の丸の東北隅櫓の復元する計画があったようですが、凍結なのかな。

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松本城の天守です。
国宝です。
黒壁が美しい城です。

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