十二所館@静岡県袋井市 [お城踏査]

十二所館は静岡県袋井市諸井にあった中世城館です。

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心宗寺が城跡です。

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土塁です。

お寺の周囲に部分的に残っています。

高さは1メートルほどです。

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心宗寺の南の公園に説明板があります。

nagoya 127.jpg

遺構図です。

発掘調査の結果東西85メートル、南北130メートルの堀が見つかっています。

以前、発掘調査がされて興味深い遺構が出ています。

nagoya 128.jpg

それがこの遺構です。

虎口の前に馬出が築かれていました。

とても小さくかわいいものです。

そして馬出の外の堀には木杭が多く打たれていました。

この馬出により十二所館は城の研究者の間では結構有名です。

この遺構をどう見るかが問題です。

心宗寺自体が戦国期に武装化したものか、あるいは他の大名権力によって陣城として築かれたのかです。

そこでこの十二所館の位置が問題となります。

天正2年に武田勝頼が高天神城を攻略します。

それに対抗して徳川家康は馬伏塚城を築きました。
十二所館は馬伏塚城よりも浜松城側にあります。

そう考えるとこの十二所館は徳川家康によって高天神城攻めのために作られたと考えることが出来ます。

ただ、一つ問題があります。

天正2年当時の徳川氏が馬出の技術を持っていたかどうかです。
一般的に丸馬出は武田氏の築城技術とされ、徳川氏がその技術を得たのは天正10年に武田氏が滅んだときにその遺臣を家康が多く召抱えたためと言われます。

そうすると天正の早い時期に徳川家康がこの技術をもっていたかが問題となります。

馬出の遺構は今は埋められていて見ることはできません。


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Take-Zee

こんばんは!
5月なのに夏日が続いていますね。

by Take-Zee (2015-05-02 20:11) 

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